上諏訪温泉の中心、湖岸通りに面して建つ片倉館の会館棟。1928年に開館し、片倉家が地域に開いた厚生・社交施設として整備された。 設計は森山松之助。2階に143畳の大広間を置き、和風意匠に洋風要素を交えた昭和初期の折衷様式が特徴。浴場棟・渡廊下と一体で2011年に重要文化財指定となっている。
片倉家
明治期から昭和初期にかけて日本の製糸業界を牽引した名門実業家一族。
初代が岡谷で創業した製糸工場を基盤に、1895年に片倉組(現・片倉工業)を設立。二代目片倉兼太郎は「事業は人なり」の理念を掲げ、労使協調と地域福祉に力を注いだ。